学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

第80号

2006. 4.07 ご登録読者数 1414 名様

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☆トップクラスに入る勉強法! 第80号☆

 ~もう勉強のやり方がわからないとは言わせません!~
 ~4人の学習のプロが、結果を出せる勉強法を教えます~

発 行:考える学習をすすめる会 http://kangaeru.org
                             
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§このメルマガの趣旨

成績は「勉強時間」と「勉強のやり方(頭の使い方)」で決まりま
す。もし、大きく学力を高め、成績を向上したいなら、勉強のやり
方を、覚える学習から「考える学習」に変えなくてはなりません。

このメルマガをしっかり活用すれば、トップクラスの成績を手に入
れることができます。執筆者は全員が10年以上のベテラン塾長です。
熱意ある皆さんのために、このメルマガをお届けします。
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メンバー塾の春の特別講習で、このメルマガは2週間のお休み。そ
して会のHPの勉強応援掲示板も1週間お休みをいただきました。
ありがとうございました。

ウロコ先生は3/31~4/06の1週間、塾の春休みをとりました。その
間もほとんど仕事には出てきていましたが、2日間だけ完全休養し
て、ちょっとだけ体がリフレッシュできたようです。

さあ、また張り切って行くぞ~!


4月。新中学生、新高1生、新大学生は新しい生活のスタートです
ね。初心忘るるべからず、新しい生活に踏み出しましょうね。

全国の合格を報告してきてくれた掲示板ファンの皆さん、どうもあ
りがとう(^^)/



さて,今回のテーマは,

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    “ わからない! ”を言えるようになろう

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この春期講習で、塾生の新中2生H君。毎日とても楽しそうに通っ
ていました。


後期中間テストで彼は今まで最低の得点をとりました。英語や数学、
彼はとてもまじめに勉強をしていたんです。

問題集もたっぷりこなしました。でも、テスト前の勉強で問題集を
やっているのを見て、ウロコ先生は“これは最低記録をつくるぞ!”
とひそかに予見していました。

英語
(1) I go to Kyoto. 否定文→I don't go to Kyoto.
(2) I eat lunch.   否定文→I am not eat lunch.

 のように、間違え方に一貫性がない。行き当たりばったりだ。


予想されても、失敗させるのも長い道中必要なことだ。ウロコ先生
は塾生の一回一回の目先の点にはこだわらない。

塾という場では、「点を上げてなんぼさ!」「点を上げなければ塾
の存在価値がない!」という塾長さんが多い。そのために塾生のお
尻を叩き、「これでもか!?」という量の宿題を出し、『確認テスト』
と称してテスト漬けにする。

ウロコ先生はこのようなやり方が嫌いだ。こんなに汲々と子どもの
頭に詰め込んで、一体その子の頭に何が育つというのだろう?

学校のテスト以外の場では使えもしない知識が「一時的に」ストッ
クされていくだけではないか。

とまあ本音を吐いたが、他塾でやっていることを批判するつもりは
ない。どの塾長もそれぞれの信念に基づいてやっていることだろう
から・・・

ウロコ先生は塾生にわざと失敗させることがある。そして事後にそ
の原因を徹底して分析・反省・改善するようにし向けるのだ。

テストの点にこだわるのは3年生の二学期からでいいと思っている。
ただ、この点は地域差があるのでそうもいかない都道府県もある。


話を戻そう。H君、予想どおり最低記録を更新してしまった。十分
勉強したのにだ。彼は戻った答案を見て涙を流して泣いていた。肩
を震わせて・・・

英語は特にひどいものだった。


【 二人の会話 】

(ウロコ先生)

Hよ、十分にこたえただろう。だから今が今後のために一番のチャ
ンスなんだ。

なんでこうなってしまったのか、とことん検討しよう。

まず、お前の思い当たることを聞こう。

(H)

ゥゥ・・・勉強が十分じゃなかったんです。
ゥゥ・・もっともっとやらなければいけなかったんです


(ウロコ先生)

Hよ、そう言うのは自分自身がかわいそうではないか。先生から見
て、今回お前は十分やってたよ。これ以上まだ勉強できるというの
か?

(H)

ゥゥゥ・・・でもそれ以外に方法がないじゃないですか?
ゥゥ、どうすればいいんですか?

(ウロコ先生)

お前が最低点を更新するだろうことは、お前がテスト前の英語の問
題集をやっていたときに感じていたよ。でもあのときは黙っていた。
お前が「これがいい」と信じてやっていたことだからだ。

人生はなっ、そんなに思い通りにはいかない。まずは自分が信じる
とおりやってみることだ。それがうまくいかなかったら、そしてど
うしたらいいのかわからなくなったら、初めて人に何かを言っても
らえばいい。

今回は先生の出番のようだ。

お前は先生の「英語入門〔初級版〕」を熟読してないだろう。あれ
をしっかり読み、『英語のなぜ?』をしっかり理解していれば、そ
れを問題に当てはめて考えれば、「あり得ない間違え方」はしなか
ったはずだ。そしてあんなに問題をたくさんこなさなくてもよかっ
たんだ。

問題集なんて、薄くてよくできているものを、一問一問心を込めて
じっくりやればそれでいいのさ。たくさんやれば、1つ1つが雑に
なる。

考え方がわかれば、なんで多くをこなさなくてはいけないんだ?

お前は考え方をわかるよりも、たくさんこなしてたくさん覚えよう
としていたんだよ。

中1の勉強で、難しい理屈がいったいどのくらいあるのだ? あき
れるほど少ないぜ。 数少ない理屈をモノにすればいいものを、そ
うではなくて問題と答えをかたっぱしから覚えようとするから、あ
んなに大変になったんだ。

そしてお前の頭では覚えきれずにこうなった。

目をどこに向けるべきかを間違えて、ひたすら苦しい道を突き進ん
でいたんだよ。

問題集をやって大切なのは、答えが合うことではない。一問一問に
つき「なぜこれが答えになるのか?」の検討だ。

必要な理屈はおっそろしく少ない。問題の数だけあるわけじゃない。
だから問題をたくさんこなすのは、たくさんの計算練習をするのと
同じで、まったく時間の無駄づかいなんだ。

これからは頭を切り換えようぜ・・・


(H)

ゥゥ・・・ゥっ・・先生、僕は小学校のときなんでも「なぜっ?」
って質問しちゃう子だったんです。それで・・・ゥゥ・・・先生に
うるさがられ、いやがられちゃったんです。

クラスでも浮いてしまって・・・

(ウロコ先生)

そうだったのかっ・・・かわいそうに・・・

でもなっ、たしかに授業中に「なぜ?」を連発されたら授業が進ま
ずにいやがる先生もいるよな。しかし考えてもみろよ。人間、たか
が学校のテストの点で評価されるのは学生のうちだけだぜ。テスト
は『点』だけだ。点がその人間の実力かといえばそうじゃない。

本当に学ばなければいけないのは、社会に出て通用する力だ。

社会に出てもいろいろな知識が必要だ。しかしそれは活用できる
『生きた知識』であることが大切なのであって、活用できない『死
んだ知識』をいくら持っていたところで役に立たない。知識をひけ
らかす、嫌みな人間になるだけさ。

同じ知識を生きたものにするか死んだものにするかは、その知識が
「なぜ?」に裏打ちされているかどうかによる。

だから、先生は徹底して「なぜ?」にこだわるし、こだわらないヤ
ツは嫌いだ。授業中に「なぜ?」を連発してくる生徒がいれば、先
生なんかむしろ大歓迎で、授業をやりやすくしてくれる助っ人だと
思うよ。

質問してこないヤツは「なぜ?」がわかっているんじゃなくて「な
ぜ?」なんてことは考えたことがない連中なのさ。

先生はそういう考えだから、この塾では遠慮無く「なぜ?」を連発
せい。そしてそれは耳学問として聞いているほかのヤツらのため、
そいつらを代表してきいていることにもなるんだ。

(H)

ぅぅっ・・、先生、じゃ僕はあの頃の僕に戻っていいんですか?

(ウロコ先生)

そうさっ。あの頃のお前は『本当の勉強』をしていたんだ。ところ
がいつのまにか本当の自分じゃなくなってしまったんだ。苦しかっ
ただろうよ。本当のHがかわいそうだったな。

数年の回り道だったけど、これからはありのままのHで行こうなっ。

但し、先生が今までにお前に渡したテキスト、ウロコ流テキストは
全部「なぜ?」にこだわって書いてある。あの厚さで問題数はあき
れるほど少ない。問題集として利用するのではなく、問題を利用し
ての『考え方の解説書』だ。

今のお前が持っている疑問のほとんどはウロコ流テキストを使えば
解消する。お前が間違っていた英語の否定文の作り方しかり、数学
の文章題しかり。歴史もまたしかり。

宝の持ち腐れだったんだ。だから次のテストまでには、心を入れか
えて今までに渡した先生のテキストを全部徹底して読み込め。そん
なに厚いものはない。理屈がわかったうえで、他の問題集をやるな
らやれ。少しやれば十分だ。

テキストに解説してあることは「なぜ?」ときくなっ。テキストに
書いてない、テキストよりももっと上の「なぜ?」を探し出して言
ってこい!

(H)

先生っ、わかった。オレやる。

(ウロコ先生)

ああっ、やろうぜ!・・・(肩をポンして握手)


        ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

それからのH君の顔の明るさったらもう・・・

「なぜ?」を遠慮無く言えます。もっともウロコ先生はそのすべて
に答えたわけではありません。

  「それは『英語入門〔初級版〕』に書いてある。」
  「それは『方程式の文章題解法』に書いてある。」
  「それは『歴史なぜなぜ集』に書いてある。読みが浅い、お前
   の負け~!」

  などなど。

そしてウロコ流テキストで解説してない「なぜ?」が出たら、

「お~しっ、やったぁ。それは書いてない。Hの勝ち~、説明して
やるよ!?」と、私は握手して大喜びでした。

一緒にいる他の子も、そんなやりとりには聞き耳をたてていること
が多かったのです。Hへの解説は、わざと他の子にも聞こえるよう
に言ったり、時には他の子にも振りました。

後期の期末試験では・・・H君、いきなり70点上げてくれました。
でも私は渋い顔で言いました。

「まだまだだなぁ!」

これに対してH君。「そうなんですよ。オレもすごく不満。先生、
次回はもっと満足してもらえるようにするから、待ってて~!」
ですとさ。



学陽舎はふだんは自学自習形式です。だから小学生から高校生まで
が、教室で同時に各自の勉強をしています。

そして春と夏の講習のときだけ講義形式(全体授業)でやります。冒
頭のH君のルンルン気分は、全体授業でも「なぜ?」を連発できる
から,ありのままの自分を出せるから、なのです。

そして・・・たしかに連発してウロコ先生の講義を助けてくれたこ
とは言うまでもありません。H君のような生徒がいれば、授業がそ
のようなムードになりますから。


       H君よ、ありがとうな(^_^)v



             (執筆:学陽舎 城内貴夫…長野市)


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